大腸の病気(大腸炎・大腸がん・大腸ポリープなど)
大腸(盲腸、結腸、直腸)の病気には、大腸炎、大腸がんなどがあります。最近では、過敏性腸症候群も注目されています。
便潜血検査は大腸がん検診として重要な検査ですので、毎年の受診をお勧めします。
血便や便潜血が陽性の原因としては、大腸がん、大腸ポリープ、虚血性腸炎、大腸憩室出血、痔出血、感染性大腸炎などがあります。
大腸炎
大腸に炎症を生じる病気を総称して大腸炎と言いますが、多いものとしては下痢や腹痛を主な症状とする感染性大腸炎(細菌性・ウイルス性)があります。感染性大腸炎は急激に発症することが多く、吐き気や周期的な腹痛、発熱などを伴うこともあります。ほとんどの場合、脱水に気を付けて経過を見れば、数日程度で改善します。
大腸炎には感染性大腸炎の他にも、潰瘍性大腸炎やクローン病、ベーチェット病など、炎症性腸疾患(IBD)と呼ばれる難病に指定されているような病気もあります。近年、若い方に増えている病気であり、慢性的に(数カ月単位)下痢が続いているような方は潰瘍性大腸炎やクローン病などの可能性もありますので、放置をせずに是非ご相談ください。高齢で発症する方も増加しており、高齢でも血便や下痢が続く場合は、内視鏡検査での精密検査をお勧めします。潰瘍性大腸炎やクローン病は、免疫の異常により腸に炎症を起こす病気で、自覚症状としては血便や下痢が多く、重症化すると発熱や体重減少、腹痛を伴うことがあります。免疫を抑える治療により、症状のコントロールが可能です。潰瘍性大腸炎では慢性的な炎症が原因となり、経過中に大腸がんを併発することもあるため、定期的な内視鏡検査が欠かせません。クローン病は炎症が原因で、腸が細くなり、腸閉そくなどの合併症を起こすこともあります。
大腸がん
大腸がんは、日本でも罹患者が近年増えており、現在では罹患者数1位のがんとなっています。男女別で見ても、女性では乳がん次いで2番目に多いがんであり、男性では前立腺がん・胃がんに次いで3番目に多いがんとなっています。がん死亡率も、肺がんの次に多いがんとなっています。
60歳以降で、患者数が急激に上昇するため、60歳以上の方は定期的に大腸内視鏡検査をうけることをお勧めします。
早期の場合は自覚症状がない場合が多く、健康診断等で発見されるケースが多くあります。早期の発見であれば、内視鏡などで切除することが出来ます。
やはり、定期的な健診を受けることで、早期発見することが重要になりますので、是非当院にご相談ください。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群とは、大腸に潰瘍や炎症などの目に見える異常が認められないにもかかわらず、下痢や便秘や下腹部の張りの症状が起こる病気です。
ストレスやアルコールの摂取過多、生活の乱れによっておこると言われています。
治療については、上記の要因を改善することが基本となります。また、症状に応じて薬物による治療についても併せて行う場合がありますので、先ずは当院にご相談ください。
血便や慢性の便秘・下痢などの症状があれば、大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。当院では苦痛の少ない内視鏡検査を行っています。