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検査キット不足、薬不足、体力不足、時間不足、睡眠不足

[2022.08.18]

7月半ばからコロナの第7波で、発熱外来がパンクしています。

発熱外来をやっている病院はどこでも大変な状況が続いています。私が以前に勤務していた病院でも、毎日救急外来に100人近くの発熱患者が来院し、救急室前の待合では全然数が足りず、正面玄関が発熱外来患者専用の待機スペースになっていました。

当院では同時に複数人への対応が難しいため、15分毎1人ずつ予約を入れて受診していただいています。

患者さんの入れ替えごとに、消毒も徹底して行うため、かなりバタバタしています。

発熱用の診察スペースが1か所しかないため、少しでも多くの方を診察できるように、車で来院できる方は車で来ていただき、車内での診察と発熱スペースを両方使って診療しています。

当院に来られる患者さんで、「手当たり次第に何か所も病院に電話したんですけど、全部断られて・・・。ここで診てもらえて本当に助かりました。」と言って下さる方が何名もおられました。無料PCRで陽性が出たけど、どこでも診察してもらえずに、1週間ぐらい経ってしまってから受診される方もいました。

全国の新規感染者数は1日で25万人程度となっています。「私の周りにはコロナの人なんていません。」っていう人のほうが珍しい状況ではないでしょうか。発熱外来をやっている病院がパンクするのも至極当然のことと思えます。インフルエンザのようにどこの病院でも診察できるようにする必要があるでしょう。

当院ではできる限りお断りをせずに、診察させていただこうと頑張っています。病院のように1日100人はさすがに診れませんが、1人でも多くの人の診療ができるように受付ぎりぎりまで患者さんを受け入れたり、検査のない昼間の時間の診療を行ったり、できる限りの努力をしています。

でも、発熱外来をやる上で、実は大変困っていることがあります。それは、薬不足です。それも、かなり深刻なんです。

抗原検査キットもかなり仕入れが難しい状況ですが、外注のPCRと組み合わせて何とか検査を行えていますが、検査体制には、ほとんど余分がなく、かなり厳しい状況で行っています。

薬に関しては、アセトアミノフェン(カロナール)などの解熱剤や咳止めの薬がほとんど仕入れできない状況になっています。

当院は院内処方を行っているため、薬が入ってこないと死活問題なのです。ウイルス感染には一般的に安全性の高いアセトアミノフェンなどを処方しますが、7月からの患者急増のため、院内に在庫していたアセトアミノフェンはあっという間になくなってしまいました。咳止めも同様です。製薬会社が出荷制限をしているため、仕入れることもできなくなってしまいました。本当はアセトアミノフェンを処方したいのに、代わりにロキソニンを出さざるを得ない状況です。アセトアミノフェンはロキソニンが使いづらい腎障害のある患者さんや、小児に処方するのがやっとです。ちなみに、そのロキソニンも製薬会社は出荷調整を始めました。(当院は整形外科もあるので、ロキソニンが入らなくなるとどうなってしまうのか・・・)

咳止めも何とか代替品を探して処方していますが、出したい薬が出せないのが現状です。

また、発熱外来は事務作業量も膨大です。PCRの結果が返ってくるのは夜遅く、コロナ陽性とわかれば、すぐに発生届を保健所に提出しなければいけないのですが、患者さんの住所・氏名・生年月日・連絡先・症状などを患者1人につき1枚ずつ記載せねばならず、1枚は数分で書けても、1日分をトータルすると意外と時間がかかります(1時間以上は書き書きしていると思います)。しかも、書けた発生届を保健所にFAXしようとしても、保健所も膨大な量のFAXを受信しているため、全然つながりません・・・びっくりするぐらい繋がらないんですよ。本当に。そんなこんなで、普段と比べると帰宅するのが3-4時間は遅くなっています。

発熱の診療は正直体力勝負です。私の体力がなくなるのが先か、第7波が終わるのが先か・・・早くコロナが落ち着いて欲しいものです。

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