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ありふれた病気、大腸ポリープ

[2021.08.20]

40歳を過ぎたら、胃がんや大腸がんが増えてきますので、以前のブログ「胃カメラ・大腸カメラは何歳から受ける??」で40歳を過ぎたら内視鏡検査を受けた方が良いと書きました。ちなみに、院内にもポスターを貼って、内視鏡を積極的に受けていただけるようにしています。

内視鏡検査で見つかる「できもの」と言えば、なんといっても「ポリープ」でしょう。今回はその「ポリープ」について書きたいと思います。

胃カメラを受けていただいた患者さんで、「胃にポリープがありました。」と私が説明すると、多くの患者さんが「ポリープは取らなくていいんですか?がんになったりしませんか?」と心配そうに尋ねられます。その時に、私は「胃のポリープは胃がきれいな証拠です。がんになることもほとんどないので、心配いりません。」と説明しています。

ポリープはがんになると心配される患者さんが多いのは、『大腸ポリープ』のせいだと私は思っています。大腸ポリープは、ポリープから『がん』になることがあります。

そもそも「ポリープ」とは何なのでしょうか?Google検索してみました。

「皮膚・粘膜などの面から突出し、茎をもつ卵球状の腫瘤(広辞苑第6版より)」がポリープだそうです。

なんだか小難しいことが書いてありますが、つまりは「盛り上がったもの・出っ張ったもの」をポリープと言います。

良性か悪性かは関係なく、腫瘍かそうでないかも関係なく、盛り上がったものを総称してポリープと言いますが、医師の間では一般的には良性のできもののことを『ポリープ』と言っていることが多いと思います。悪性のものは『がん』と言うほうがわかりやすいからです。腫瘍でないポリープには、炎症性ポリープといったものがあります。胃にできるポリープの代表格に胃底腺(いていせん)ポリープや過形成性(かけいせいせい)ポリープというものがありますが、これらも実は腫瘍でないポリープに分類されます。

つまり、胃ポリープと大腸ポリープはどちらも「ポリープ」と呼ばれていますが、全く別物なのです。基本的には、「胃ポリープ」の多くは非腫瘍性ポリープである『胃底腺ポリープ』であり、「大腸ポリープ」は腫瘍性ポリープの「大腸腺腫(せんしゅ)」のことを言います。

「腺腫」は一応は”良性”腫瘍ですが、がん化することが知られており、良性と悪性の中間のものと考えられています。大腸ポリープ、つまり「大腸腺腫」は大きくなると、大腸がんに変化することがあり、大腸ポリープを切除するのは、『がんになる前の芽を摘んでおく』という、がんを予防する目的があるからです。

話がややこしくなりますが、実は胃にも「腺腫」ができることがあります。胃底腺ポリープと比べると、比較的珍しいものですが、大腸腺腫と同様に、胃腺腫はがん化することがありますので、治療対象となります。そして、なぜか胃腺腫のことは、あまり胃ポリープとは言いません。頻度の問題で胃底腺ポリープや過形成性ポリープのほうが圧倒的に多いからでしょうか?

少し難しい内容になってしまいましたが、要約しますと同じポリープという名前でも、胃と大腸では全く別のものなので、胃ポリープはほとんどがん化しないですし、大腸ポリープはがん化するので治療が必要ということです。

そして、このがん化する可能性のある大腸ポリープは、ご存じない方が多いでしょうが、実はかなりありふれた病気なのです。

実際、大腸検査をしていると、かなりの確率で大腸ポリープに遭遇します。文献的には、大腸内視鏡検査を受けた人のおよそ40%に大腸腺腫が見つかるとされています。5人中2人はポリープを持っているのです。高齢になればポリープも増えますので、ご高齢の方では2人に1人はポリープがあるのではないかと感じています。女性よりも男性に大腸ポリープは多く、お酒やタバコが影響しているといわれています。また、食事が欧米化してきたことで、大腸ポリープ・大腸がんは増加傾向にあります。

大腸内視鏡検査を受けないとポリープがあることには気づけません。気づかずに一生を終える方もいますが、ポリープを切除することで、大腸がんになる確率は確実に減らせます。一度も受けたことがない方は是非、大腸内視鏡検査を受けていただきたいと思います。検査を受けてポリープがあった方は、1-3年毎に、ポリープがなかった方は5年毎ぐらいに受けていただくのが良いかと思います。

余談ですが、大腸腺腫の有病率の40%というものが、大腸内視鏡検査の精度指標にも使われています。ある医師が内視鏡検査を10人に行って、10人中4人前後にポリープを見つけることが出来れば、しっかりと観察できているということになりますが、1人か2人にしか見つけられなければ、見逃しをしている可能性が高いということになります。

私の検査精度はどうなのか、また調べてみたいと思います。。。

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