先日の報道で、日本の医療従事者のコロナワクチン追加接種の抗体価・副反応についての報告がされました。

1,2回目にファイザー製のワクチン接種をうけた約3000名の解析のようですが、3回目もファイザーが約2600人、3回目モデルナが約400人という内訳になっています。

 

結果はどうだったのでしょうか？

 

①効果について

接種1か月後の抗体価は、3回目ファイザーが54.1倍、モデルナ67.9倍上昇しました。

効果の面では3回目はモデルナの交互接種に軍配が上がりました。

オミクロン株に対する中和抗体価もモデルナのほうが高かったようです。

 

②副反応について

発熱（37.5度以上）　　

ファイザー39.8%　モデルナ68.0％　

倦怠感　　　　　　　

ファイザー69.1％　モデルナ78.0％

頭痛

ファイザー55.0％　モデルナ69.7％

ワクチン接種量が半分になっても少しモデルナのほうが副反応が強そうです。

 

とうことで、結論は「3回目はモデルナのほうが効果も高いが、副反応も多い！」

 

おそらく正しい結果なのでしょう。しかし、本当に差がある結果なのかどうかはこのデータからは不明です。

というのも、プラセボ効果というのをご存知でしょうか？有効成分の入っていない偽物の薬を、「よく効く薬」として患者さんに飲ませると、勝手に病気が治ってしまう人がいます。完全に精神的な影響です。

ワクチン接種する時点で、どちらが打たれたかわからない状況ではなかったため、「モデルナを打ったから熱が出そうだな。」とか「モデルナを打ったからしんどくなりそうだな。」と思うことが、今回の結果に影響していた可能性は否定はできません。

でも実際は、どっちを打つかわかってワクチン接種を受けますので、上で書いた頻度ぐらいで副反応がでると思って、接種前に解熱剤などを準備しておく方が安心です。

ワクチンを3回打つことで発症を防げるのかどうかは、実感としてよくわかりません。3回目を打ってもかかっている人はいます。重症化が防げると信じて打つしかないと思います。

発熱外来をしていて、最近、発熱患者数は少しピークを越えたような印象もありますが、1日でも早く落ち着いて欲しいものです。